6月号「所感」

  今月の所感は、5月3日から開催された選抜展のご報告と、”耕生介護日記”となります。


 *2022年6月号 所感 ********************


 第38回日本書鏡院選抜展を無事に終えた。

 天候にも恵まれ、 お昼ご飯を食べるために1時間以上並ぶなど、 銀座にも活気が戻ってきたように感じたGWであった。

 会場内では久しく会えていなかった方々との再会・交流の場として、 笑顔がたくさん垣間見れた選抜展となった。

 いまだインバウンドが戻ってこない日本にとって、 海外旅行での観光客の参観こそ見られず他言語が飛び交うことはなかったが、 コロナ禍の中で行われる選抜展の在り方もなんとなく感じとれた。

 そんな中、 選抜された先生方の思いのこもった小作品は、 日本書鏡院としての力量を示す上で見ごたえのある展示となった。

 しかし先生方が参観者へ作品の説明をしている光景を見るにつけ、 今のままの展示では何かもの足りないと感じた。

 出品者が作品に懸けた思いは参観者全員に伝わっているのだろうか。

 書作品は、 中身を感じながら鑑賞するが、 意味がわからなくても造形として感じながら鑑賞することも出来る。

 しかし陳列されている作品の横にネームプレートと読みだけを貼り、 図録を見ても目録を見ても読みだけ。

 諸先生方の光景を見て、 出品者の思いをもっと参観者側に、 伝えることができたのではないかという強い思いだけが残った。

 こう思うのも少なからず、 連日テレビやネットニュースで流れてくるロシアのウクライナ侵攻の惨状を目にしているせいか、 世の中では普通が普通にできない世界があり、 その人達が大切な人に今の思いを言葉で伝えるということがどれほど大切なものなのか考えさせられているからか。


 日本書鏡院のホームページの中に 「心が動くその瞬間を」 というフレーズがある。


 きっと心が動く瞬間に自分の思いをのせて作品書きに邁進するであろう。 しかし大前提はこの瞬間に大切な人と共に過ごせる幸せがあるからこそ、 思いが込められる作品が仕上がるのである。 その思いを今後に向けて出品者、 また参観してくださった全ての方々へ、 分かり易くお伝えできる体制で臨みたいと考えている。

 今回の展覧会を通して小生への要望の多くは、 SNSの活用であった。

 日本書鏡院としてSNSの活用を今後どのようにしていくか、 常任理事・理事の先生方に意見を伺いながら進めていきたいと思っている。


〈耕生介護日記〉


 鳩居堂の間は父に約二週間の長期のショートステイに行ってもらった。

 母も鳩居堂があったとはいえ、 だいぶリフレッシュできたことだろう。

 まあびっくり。 夜の介護のために、 実家にいくとなんともさっぱりした坊主頭の父がいた。 寝たきりになってからは坊主にする父。

 「二週間どうだった?」 と聞くと、 「天国と地獄だよ」 という一言。

 その一言で全てが読み取れる。

 会期中もたくさんの介護をされている方のお話を聞いた。

 またつたない文章だが〈耕生介護日記〉を楽しく拝見しているという方も予想以上にいたことも驚いた。 ありがたい限りだ。

 少しずつだが父の近況を載せていくことにより、 介護仲間の繋がり、 励みになると思い、 引き続き近況を報告していきたい。


*(耕史記)****************************