投稿

12月, 2020の投稿を表示しています

12月号「所感」

  今月は展覧会についてを振り返り、会長からのメッセージをご紹介いたします。 *2020年12月号 所感  ********************   朝夕の冷え込みが厳しくなってきたが会員諸氏の皆さま、 いかがお過ごしでしょうか? 第61回日本書鏡院展をコロナ禍の中無事終えることが出来た。 関係各位の皆々様に感謝申し上げます。 振り返れば GWに開催している日本書鏡院選抜展を延期にしてから、 秋の展覧会だけは何としても開催するという強い気持ちを持ち続けたまま今回の一大イベントに向けて準備をしてきた。 作品点数も昨年対比83%と減少したものの昨年が節目の展覧会であったことを考慮すれば、 評価出来る数字ではないだろうか。 感染対策を講じながら、 展覧会に向けて多大なご協力をいただいた支部長の先生方には感謝の気持ちで一杯である。 他の芸術団体が展覧会を中止したこともあり、 今年の東京都美術館内は、 活気に乏しく、 芸術の秋とは程遠い物静かな感じさえも受けた。 七日間の開催で約三千人余のご来場を賜り、 コロナ禍の展覧会としては盛況のうちに終えられたのではないだろうか。 今回の展覧会を無事に乗り越えることが出来、 会員との絆が一層芽生えたことも小生にとって、 収穫となった。   一般部の審査を通して賞に入ったものを分析すると、 全体の纏り、 配字、 流れ、 線の質、 そして結体の良し悪しが作品の優劣を決めている。 これは今まで積み重ねてきた展覧会と何ら変わりはないのである。 賞が全てではないが、 平素の限られたお稽古の時間をどのように向き合って取り組まれているかが肝要なのではないだろうか。 文部科学大臣賞を受賞された佐々木素光氏の作品を目に焼きつけてきたが、洗練された構成美と揺るぎない結体美、 楷書の作品は誰が観ても良し悪しがわかるために、難易度もあがるであろう。   今は亡き、 蛯原泰石先生が佐々木素光氏を育て上げ今回の受賞となったわけである。 佐々木氏にはこれからも益々のご活躍と後進の指導にあたっていただきたいと願っている。    当院を創設した長谷川耕南が遺してくれた書作、 数々の佳きお弟子さん達が居てくれたからこそ、 今日の日本書鏡院が存在しているのである。     児童生徒の部の文部科学大臣賞は、 私が主宰する育美書道教室の郁文館