12月号「所感」

 今月の所感は、展覧会への想いと文部科学大臣賞を受賞された渡辺愛花先生とのご縁についてのご紹介となります。

 *2021年12月号 所感 ********************

今年も無事に第62回日本書鏡院展を終えることが出来た。

出品された会員の方々には感謝の気持ちでいっぱいである。
去年と違うことはワクチン接種が国民の7割程になり、行動の制限が解除されたことであろう。  実際上野駅を降り立つと、上野公園を歩く人の多さ、上野動物園に入場するための長い行列、途中のスターバックスには、長い行列が目に留まり、去年には見受けられなかった光景であった。 

 今年も一点一点の作品は見ごたえがあり、 どこか品のある作品が目についた。  その中で今年は仮名の部から文部科学大臣賞が選出された。 柔らかな風でも吹いたかのようなそんな感じが見受けられた。  今年の文部科学大臣賞を受賞した渡辺愛花先生は、小生が生まれた時からお世話になっており、切ってもきれないご縁がある。  先生は大学生の頃から祖父を師事し、毎週日曜日に自宅の教場に通っては、小生の面倒を見てくれた。懐かしい思い出は、やまほどある。  なかでも日本書鏡院展が毎年開催されている最中には必ず上野動物園に連れて行ってくれた。 今でこそなくなってしまったが、100円で乗れる小遊園地に行っては、おさるの電車に乗って遊んでもらった記憶が今でも残っている。かれこれ約45年前の話だ。 こんな面倒見のいい先生はいないだろう。時が経ち、今度は小生の子供達を気にかけて下さる先生である。二代にわたり、 子供の面倒を見て下さる先生は他にはいない。  とてもきれいに折られた折り紙をいつも子供達にくださった。 我が家はボランティアで預かる子供達も常に自宅にいるので、 いつも折り紙を欲しがり、みんなでその折り紙で遊んでいる。 当時五歳頃だった娘がいつも持ち歩いている先生のリュックサックを見て、「パパ、 愛花先生のリュックはドラえもんのポケットみたいだね。 何でも入っていて楽しそうだね」 と展覧会場で言った記憶を思い出した。

 小生・子供達を通じてあれから50年。
 先生は50年以上書道を継続されて、焦らず、丁寧に自分なりの表現で作品を書き上げて今回の大賞を受賞したのである。授賞式の答辞を小生の目の前で、読み上げている先生を見ながら、 少し小さく感じた先生の姿に50年という月日を思い浮かべ、感慨深い思いに浸った。 

 「書道」 は一生続けられる習い事である。 これを渡辺愛花先生がまたお示しになった。 

 展覧会は一年に一度の発表の場であるが、 日々の研鑽こそが長く続くコツだと考える。
 小生もまたおごることなく、 日々邁進していきたいと思う、 そんな展覧会でもあった。

*(耕史記)****************************