12月号「所感」

今年も残り1カ月となりました。

今月は、日本書鏡院展への会長の想いが詰まった所感となります。

*2019年12月号 所感  *************************


第六十回記念日本書鏡院展を無事に終えた。会員諸氏には展覧会を盛り上げていただき

感謝の気持ちで一杯である。



この写真はまだ院展が始まって間もないころのだろうか。柔らかさの中にも力強い学生の作品、
今も活躍されている先生方の若かりし頃が時代を感じさせる。

六十年目の展覧会は今年で人間でいえば還暦を迎えたことになる。また新たな還暦に向けた
一年がはじまる。来年は十干十二支では庚子(かのえね)の歳であり、庚子(かのえね)を「こうし」
と読めば、来年からは耕史(こうし)の歳になるのだから頑張れ、と激励されたのが印象に残って
いる。

今まで積み重ねてきた伝統を確立していくために会員一人一人と向き合い会員ファーストの庚子
(かのえね)の歳を迎えていきたいと考えている。

今年の展覧会では九十歳以上の出品車のネームプレートに金色のリボンをつけて、その下には
年齢を記載させていただいた。

審査員室に年齢を感じさせない広瀬先生、宮永先生の圧巻な作品を始め、九十歳、九十二歳、
九十六歳、最高齢は百二歳の仮名の作品など十人以上の方が出品してくださった。

実に幼稚園生から百二歳までと、一世紀の方々が思い思いに表現した作品が一同に飾られた
当院の節目の展覧会を誇りに思うのである。
参観された方々からも刺激、パワーをいただいたという声を多くいただき、ある八十九歳女性の
方からも自分も九十歳に向けて作品づくりに邁進していくと言うお話をいただいた。

小生は出品者のすべての方々への労いとともに、感銘を受けたのは記憶に新しい。
今後当院が目指していく方向性を伝えていくならば、次の還暦に向けて初心に戻り、初代長谷川
耕南の字を皆でひも解いていきたいと考える。
現在の会員の多くの方々は、直接耕南の教えを受けた方が少なくなってきているが、ここでもう
一度、耕南の字の魅力を再認識していただきたい。



*(耕史記)***********************************


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