5月号「所感」
今月の所感は、筆供養と、3日から開催される選抜展のご紹介となります。
*2022年5月号 所感 ********************
桜の時季は、 気持ちが躍る。
一年に一度のご褒美である。 今年は開花してから気温が上がらなかったこともあり、 例年よりも楽しめたのではなかろうか。
四季があるとはいえ、
春と秋を楽しめる時季が少ないように感じるのは小生だけではないだろう。 筆供養を例年通り、 海徳寺にて開催した。
しとしと降る雨に桜の花びらはひらひらと舞い降り、 川面には花いかだが出来ていた。 今年は本堂にて役目を終えた筆への法要を行った。
荘厳華麗な仏具に囲まれ、 響き亘る聞き慣れた和尚の声が何とも心地良かった。 毎年参加してくださる顔ぶれは変わらない。
小生の所に稽古に来ている小学3年生が使用した筆を持参してくれた。 書道を大切に思う気持ちと愛着を持って使用した筆への敬意が感じられ、
すこぶる嬉しかった。 書道と共に歩んでくれている会員諸氏には一度は参加されることが望ましいと思う。 筆を提供してくれている動物への供養と古くなった筆への感謝の念が湧いてくるだろう。 道具を大切にすることの大切さも筆供養を通して学べることだろう。 今年のプロ野球を盛り上げてくれている日本ハムの新庄監督も道具を大切にすることを常々口にされている。
開幕してから3カードを終えて1勝8敗と苦戦はしているが、 ここぞとばかりに大御所がBIGBOSSに対して苦言を呈しているのである。
勝てば成功、 負ければ失敗と捉えがちであるが、 就任してからの言動に国民はワクワク感を掻き立てられたのではなかろうか。
暗いニュースに灯りをともしてくれたのではなかろうか。 新庄監督のパフォーマンスはある意味、 芸術である。 コロナも変異を重ね、
すっきりとした日が迎えられないでいるが、 正体が見えつつも我慢を強いられる時代となってしまった。
令和を迎えてからの多くが感染症に悩まされているが、 来月の三日から八日まで第38回日本書鏡院選抜展を銀座の鳩居堂にて開催する。
選抜された約60名の方々が思いを込めて出品を果たした。 古典に立脚しながらも創作の面白さを体現してくれた先生方には敬意を表したい。
お天気の佳き日に、 銀座に足を運んでいただけることを願っている。 観ることも書くこと同様に必要なのである。
*(耕史記)****************************