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4月号「所感」

今月の所感のご紹介となります。  *2026年4月号 所感 ********************  春の気配が日ごとに感じられる頃となりましたが、 花粉の飛散も盛んとなり、 小生も日々その影響に悩まされながら過ごしております。 会員諸氏の皆さまにおかれましては、 いかがお過ごしでしょうか。 平素より当院の活動にご理解とご協力を賜っておりますこと、 心より御礼申し上げます。  さて、 新年会の折にご参加くださった皆さま方には、 すでにひと言お伝えいたしましたが、 本年は当院を創設いたしました長谷川耕南の五十回忌を迎える節目 の年にあたります。 半世紀という歳月の流れを思いますと、 改めて時の重みを感じるとともに、 その間、 当院が多くの方々のご縁とご協力に支えられながら歩んでこられま したことに、 深く感謝の念を抱いております。  文字を正すことは心を正すことに通じ、 日々の研鑽の中にこそ書の道の本質が培われる教えは、 今もなお当院の歩みの中に静かに息づいております。 書の道は急いで到達するものではなく、 日々の積み重ねの中で少しずつ深まっていくものでもあります。 そしてその歩みは、 いつも人と人とのご縁によって支えられているものでもあると感じ ております。  このたびの五十回忌をどのような形で法要として執り行うのが相応 しいのか、 しばし思案を重ねてまいりました。耕南から直接手ほどきを受けられた会員の方、また何らかのご縁をお持ちの方も、 僅かながらではございますがいらっしゃいます。  本来であれば、 そうした皆さまとともに節目を偲ぶことができれば何よりではござ いますが、 諸々のことを鑑み、今回は静かに節目を迎えるという意味合いも込め、家族のみで法要を営むことといたしました。法要は六月十四日 (日曜日)、 本部に隣接する海徳寺にて執り行う予定でおります。 本来であれば皆さまにお声がけすべきところではございますが、 このような形を取らせていただきますことを、 この場をお借りしてお伝え申し上げます。  なお、 六月二十四日が祥月命日にあたります。 お墓参りにつきましては、 それぞれご都合のよい折にお参りいただくか、 あるいは心の中で手を合わせていただけましたなら、それもまた何よりの供養になることと思います。長きにわたり当院の歩みを見守ってくださっている皆さま...

3月号「所感」

今月の所感のご紹介となります。  *2026年3月号 所感 ********************  このたび、 台湾に於いて、 張炳煌先生率いる書家の皆様との書法交流会を、5月31日午後に開催することが決定いたしました。 張炳煌先生は、 台湾を代表する書家として広く知られる存在です。 淡江大学教授として長年にわたり書法教育に携わり、 多くの後進を育ててこられました。 また、 40年間に亘り、 テレビ番組 『日一字』 を通じて書の楽しさや正しい筆法を分かりやすく伝え、 台湾では大変著名な書家として親しまれています。 さらに、 書を通じた日台文化交流への功績が認められ、 2024年1月に、 日本国外務大臣表彰を受賞されるなど、 国際的にも高い評価を受けております。 伝統を大切にしながらも、 新しい時代に合わせた取り組みにも挑戦されている姿勢は、 国内外を問わず多くの書人に刺激を与えています。 かつて当院では中国を訪れ、現地の方々と書法交流を行いました。時を経て再び海外で交流の機会を得られたことが、私たちにとりまして大きな喜びです。 台湾の書家の皆様と向き合えば、筆の持ち方一つ、用筆の工夫一つにも新しい発見があることでしょう。 目から鱗の体験がきっとあるはずです。 普段の稽古では気づかなかった視点に触れることで、 自らの書を見つめ直す良い機会になるのではないでしょうか。 また、 台湾の街を歩くだけでも、 手書きの看板が自然と目に入ります。 文字が生活の中に息づいている様子は、 書に向き合う私たちにとりまして大きな学びとなります。 異国の地で文字文化を肌で感じることも、 今回の交流の楽しみの一つです。 本交流会は、 書鏡院の会員であれば段級を問わず、どなたでもご参加いただけます。 台湾の書家と同じ空間で筆を執る体験は、かけがえのない財産となり今後の書道ライフの歩みにも佳き方向に 進んでいくことでしょう。 書は、 人と人を結ぶ力を持っています。 台湾の地で心を通わせながら筆を交わす時間が、 皆様にとって実り多いひとときとなることを願っております。 多くの会員の皆様にご参加いただき、 共に新たな刺激と収穫を持ち帰ろうではありませんか。 *(耕史記)****************************

2月号「所感」

今月の所感のご紹介となります。  *2026年2月号 所感 ******************** 令和8年を迎え、 寒さ厳しい日が続いておりますがいかがお過ごしでしょうか。 身体が縮こまりやすい季節ではありますが、こうした時季だからこそ、静かに筆を執り、自分自身と向き合う時間の大切さを感じていただければと思います。 書は、 その日の心や身体の状態を正直に映し出します。 無理をせずに一歩ずつ、 日々の稽古を積み重ねて行きましょう。 1頁に【瑞馬迎春】の絵馬を掲載しました。  この絵馬は、 今月三十一日まで川崎駅前・岡田屋モアーズにて公開されております。 エスカレータの横で多くの方の目にとまる場所であり、 著名な方々の書画が展示されております。 川崎方面へお出かけの際には、 ぜひ実物をご覧いただき、 紙面とは異なる筆致や空間の広がりを感じ取っていただけましたら幸いです。 さて、 昇段・昇級試験の発表がありました。 一年の稽古の成果を確かめる大切な機会です。迷われる方もいらっしゃるかと思いますが、 できる限り前向きに受験へ臨んでいただきたいと願っております。 不合格という結果に目が向きがちですが、 試験に向けて準備を重ねる過程こそが、 確かな力を育ててくれます。 書道に向き合う目的は、人それぞれで異なります。 それでも、自身の積み重ねが「形」となって現れる機会は、大きな励みとなり、自信へとつながっていくでしょう。 高段者になるにつれ、 原寸大のお手本を学ぶ段階から、 作品としてどのようにまとめていくか、どう表現していくのかを考える段階へと進んでいきます。 師のお手本を臨書する際も、 細部まで丁寧に学ぶことは大切ですが、 それだけにとらわれ過ぎず、 筆の流れやリズム、 全体の構成を感じ取ることを意識してみてください。 そうした積み重ねの中で、 少しずつ自分らしい表現が見えてくるはずです。 支部の書風は、日々の稽古を通して自然と育まれていきます。字形の美しさはもちろんのこと、作品全体の構成や余白の扱いにも目を向けていただければと思います。余白は、書を引き立て、呼吸を与える大切な要素です。そこに意識が及ぶようになると、作品の印象は大きく変わっていくのです。  また、 拓本からの臨書などを通して、 古典に親しむことも、 表現の幅を広げる上では不可欠となります...

1月号「所感」

   今月の所感のご紹介となります。  *2026年1月号 所感 ********************  新年明けましておめでとうございます。  旧年中は、 日本書鏡院に多大なるご協力を賜り、 心より御礼申し上げます。  会員諸氏におかれましては、 それぞれに学びを深め、 また新たな課題に挑まれた一年であったことと拝察いたします。  年のはじめにあたり、 今年がどのような歩みの一年となるのか、 そして私たちはいかに書と向き合っていくのか。  あらためて目標を胸に刻み、 日々の一画一画を大切に研鑽する一年として臨みたいと思っております。  さて、 1月18日の新年会では、 当院にとりまして忘れがたい機会を頂戴しました。  約五十年前に他界した初代会頭・長谷川耕南師が、 御嶽山にて 『蘭亭序』 の講義をされた際の貴重な録音テープを拝聴することが出来るのです。  このテープを大切に保管し続け、 当院のためになるのであればと快く手渡してくださったのは、 長谷川耕南師より二十代の時に直接手ほどきを受けられた、 千葉県で教室を運営されている野辺正耕氏です。  半世紀を経てもなお、 師への敬意を絶やさず、 宝物のように守り伝えてこられたその思いに、 小生は深い感謝と感銘を覚えました。 来年50回忌を迎える耕南先師にとりまして、 野辺氏との再会に因縁深い何かを感じずにはおりません。  私たちが今日こうして筆を執り続けられるのは、 先達の歩みと、 その志を次代へとつなごうとする人々の存在があってこそです。  今年は、 耕南師の声に宿る精神をあらためて胸に刻み、 それぞれの書に息づかせていく年にしたいと思います。  また、 平成30年に制作をしたカレンダー【書鏡暦】が令和8年版として出来上がりました。 平成30年版とは違う書の読み物として傍らにいかがでしょうか。  本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。  またとない新年会へのご出席をお願いしたいと考え、 ひとりでも多くのご参加をお待ち致します。 *(耕史記)****************************

12月号「所感」

 今月の所感のご紹介となります。  *2025年12月号 所感 ******************** 第66回日本書鏡院展も、 おかげさまで無事に7日間の会期を盛況裡に終えることができまし た。   前半の三日間はあいにくの雨となりましたが、  後半は気持ちのよい晴天に恵まれ、  たくさんの方々に足を運んでいただきました。 天候にも一喜一憂しながらの七日間でしたが、 会場にはいつも温かな空気が流れ、 皆さんの作品が放つエネルギーに満たされていました。 搬入から始まり、 審査、 賞状書き、 目録づくり、 そして授賞式の準備まで、 今年は本当に慌ただしく、 それでいて充実した日々でした。 会の長として、 どの仕事も一つひとつ自分の目で確かめながら、 「今、 何が大切か」 を考え続けた期間となりました。  全体の流れを理解して動くことで、 ようやく的確に指示を出せるようになったのではと。 経験を重ねることで見えてくることの多さを、 改めて痛感した約一カ月でした。  まずは何より、 会場を盛り上げてくださった会員の皆さまに心から感謝の気持ちで 一杯です。 作品づくりに向けた日々の努力はもちろんのこと、 準備や運営にご協力くださった皆さまのお力があってこその展覧会 です。 年に一度の発表の場ですが、 その 「一度」 を支えるために、 たくさんの時間と心が注がれており、 誰か一人でも欠けては成り立たないのだということを、 改めて強く感じました。 書道を学ぶ目的や楽しみ方は人それぞれです。  上達を目指して筆をとる人もいれば、 心を整える時間として書に向き合う方もいるでしょう。 それぞれの思いがあってよいと思いますが、 展覧会への出品は、 自分の今を見つめ直すよい機会であります。 来年は是非、 より多くの方に積極的に出品していただければと願ってやみません 。 審査を通して感じたのは、 「一字一字の出来よりも、 全体の調和」 が大切だということです。 個々の文字がきれいでも、 全体の流れや構成に無理があると、 作品全体の印象が弱くなってしまいます。 逆に、 多少の揺らぎがあっても、 紙面全体のバランスが良く、 のびやかさを感じる作品は、 自然と目を引きます。 書は技術だけでなく、 呼吸と心の調和があってこそ生まれるものと...

11月号「所感」

 今月の所感のご紹介となります。  *2025年11月号 所感 ******************** 文字のおくりもの ~心を届ける 一文字の授業~ 今年もまた、 品川学園小学校の6年生を対象に 「文字のおくりもの」 の授業を開催します。 12月2日 (火) の午後1時半から3時半まで、 二コマの授業時間を使い、 家族や友達へ感謝や思いを込めて“たった一文字” を書き上げます。 一文字に託す想いは、 人それぞれ。 優しさや感謝、 励まし、 願い…。 その一筆一筆に、 心が宿ります。 当院では今回、 この授業を一緒に支えてくださる先生を約20名募集いたします。 ひとグループ4~5人の児童を受け持ち、 書の楽しさを伝えていただきます。 「教えることに興味がある」 「いずれ自分の教室を開きたい」 「子どもたちと書を通して触れ合いたい」 ――そんな思いをお持ちの方なら、 段級を問わずどなたでもご参加いただけます。 お申し込みは本部、 または日本書鏡院公式ホームページのお問い合わせフォームよりお 願いいたします。 この授業は、 毎年 「心に残る時間だった」 と大好評のイベントです。 子どもたちの真剣な眼差し、 そして完成したときの笑顔は、 教える側にとっても大きな喜びとなるはずです。 さらに、 冬休みを前にした 「書き初めのお手伝い」 も行います。 12月4日 (木)、 9日 (火)、 11日 (木) の放課後、 各日1時間半ほど、 品川学園の児童たちを対象に数名の先生を募集します。 「教えることの楽しさ」 を実感できる、 温かな時間になるでしょう。 ぜひ併せてご参加ください。 さて、 少し話題を変えて―― 先日、 嬉しいご縁をいただきました。 昨年 「KAO」 というタイトルの写真展で出逢った写真家・山岸伸氏。 その山岸氏の最新写真集 『馬力』 の題字を、 小生が揮毫させていただきました。 1頁に掲載しました。 撮影の舞台は、 北海道・帯広。 ばんえい競馬という、 世界でも唯一の競馬をご存じでしょうか。 通常の競馬が 「スピード」 を競うのに対し、 ばんえい競馬は 「力」 と 「忍耐」 を競います。 重さ1トンを超える鉄のソリを引きながら、 馬は坂のある全長200メートルのコースを一歩一歩進んでいきま す。 観客の声援に応えながら、 汗を散らし、 土を...

第66回 日本書鏡院展のご案内

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    第66回、日本書鏡院展を上野、東京都美術館で開催致し ます。 期間は、2025年10月24日(金)から、2025年 10月30日(木)まで、 入場は9:30〜17:00ま で(最終日は14:00まで)となっております。         児童、大人 の様々な作品をお楽しみ頂けます。 是非お越し下さい。