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2月号「所感」

今月の所感のご紹介となります。  *2026年2月号 所感 ******************** 令和8年を迎え、 寒さ厳しい日が続いておりますがいかがお過ごしでしょうか。 身体が縮こまりやすい季節ではありますが、こうした時季だからこそ、静かに筆を執り、自分自身と向き合う時間の大切さを感じていただければと思います。 書は、 その日の心や身体の状態を正直に映し出します。 無理をせずに一歩ずつ、 日々の稽古を積み重ねて行きましょう。 1頁に【瑞馬迎春】の絵馬を掲載しました。  この絵馬は、 今月三十一日まで川崎駅前・岡田屋モアーズにて公開されております。 エスカレータの横で多くの方の目にとまる場所であり、 著名な方々の書画が展示されております。 川崎方面へお出かけの際には、 ぜひ実物をご覧いただき、 紙面とは異なる筆致や空間の広がりを感じ取っていただけましたら幸いです。 さて、 昇段・昇級試験の発表がありました。 一年の稽古の成果を確かめる大切な機会です。迷われる方もいらっしゃるかと思いますが、 できる限り前向きに受験へ臨んでいただきたいと願っております。 不合格という結果に目が向きがちですが、 試験に向けて準備を重ねる過程こそが、 確かな力を育ててくれます。 書道に向き合う目的は、人それぞれで異なります。 それでも、自身の積み重ねが「形」となって現れる機会は、大きな励みとなり、自信へとつながっていくでしょう。 高段者になるにつれ、 原寸大のお手本を学ぶ段階から、 作品としてどのようにまとめていくか、どう表現していくのかを考える段階へと進んでいきます。 師のお手本を臨書する際も、 細部まで丁寧に学ぶことは大切ですが、 それだけにとらわれ過ぎず、 筆の流れやリズム、 全体の構成を感じ取ることを意識してみてください。 そうした積み重ねの中で、 少しずつ自分らしい表現が見えてくるはずです。 支部の書風は、日々の稽古を通して自然と育まれていきます。字形の美しさはもちろんのこと、作品全体の構成や余白の扱いにも目を向けていただければと思います。余白は、書を引き立て、呼吸を与える大切な要素です。そこに意識が及ぶようになると、作品の印象は大きく変わっていくのです。  また、 拓本からの臨書などを通して、 古典に親しむことも、 表現の幅を広げる上では不可欠となります...

1月号「所感」

   今月の所感のご紹介となります。  *2026年1月号 所感 ********************  新年明けましておめでとうございます。  旧年中は、 日本書鏡院に多大なるご協力を賜り、 心より御礼申し上げます。  会員諸氏におかれましては、 それぞれに学びを深め、 また新たな課題に挑まれた一年であったことと拝察いたします。  年のはじめにあたり、 今年がどのような歩みの一年となるのか、 そして私たちはいかに書と向き合っていくのか。  あらためて目標を胸に刻み、 日々の一画一画を大切に研鑽する一年として臨みたいと思っております。  さて、 1月18日の新年会では、 当院にとりまして忘れがたい機会を頂戴しました。  約五十年前に他界した初代会頭・長谷川耕南師が、 御嶽山にて 『蘭亭序』 の講義をされた際の貴重な録音テープを拝聴することが出来るのです。  このテープを大切に保管し続け、 当院のためになるのであればと快く手渡してくださったのは、 長谷川耕南師より二十代の時に直接手ほどきを受けられた、 千葉県で教室を運営されている野辺正耕氏です。  半世紀を経てもなお、 師への敬意を絶やさず、 宝物のように守り伝えてこられたその思いに、 小生は深い感謝と感銘を覚えました。 来年50回忌を迎える耕南先師にとりまして、 野辺氏との再会に因縁深い何かを感じずにはおりません。  私たちが今日こうして筆を執り続けられるのは、 先達の歩みと、 その志を次代へとつなごうとする人々の存在があってこそです。  今年は、 耕南師の声に宿る精神をあらためて胸に刻み、 それぞれの書に息づかせていく年にしたいと思います。  また、 平成30年に制作をしたカレンダー【書鏡暦】が令和8年版として出来上がりました。 平成30年版とは違う書の読み物として傍らにいかがでしょうか。  本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。  またとない新年会へのご出席をお願いしたいと考え、 ひとりでも多くのご参加をお待ち致します。 *(耕史記)****************************

12月号「所感」

 今月の所感のご紹介となります。  *2025年12月号 所感 ******************** 第66回日本書鏡院展も、 おかげさまで無事に7日間の会期を盛況裡に終えることができまし た。   前半の三日間はあいにくの雨となりましたが、  後半は気持ちのよい晴天に恵まれ、  たくさんの方々に足を運んでいただきました。 天候にも一喜一憂しながらの七日間でしたが、 会場にはいつも温かな空気が流れ、 皆さんの作品が放つエネルギーに満たされていました。 搬入から始まり、 審査、 賞状書き、 目録づくり、 そして授賞式の準備まで、 今年は本当に慌ただしく、 それでいて充実した日々でした。 会の長として、 どの仕事も一つひとつ自分の目で確かめながら、 「今、 何が大切か」 を考え続けた期間となりました。  全体の流れを理解して動くことで、 ようやく的確に指示を出せるようになったのではと。 経験を重ねることで見えてくることの多さを、 改めて痛感した約一カ月でした。  まずは何より、 会場を盛り上げてくださった会員の皆さまに心から感謝の気持ちで 一杯です。 作品づくりに向けた日々の努力はもちろんのこと、 準備や運営にご協力くださった皆さまのお力があってこその展覧会 です。 年に一度の発表の場ですが、 その 「一度」 を支えるために、 たくさんの時間と心が注がれており、 誰か一人でも欠けては成り立たないのだということを、 改めて強く感じました。 書道を学ぶ目的や楽しみ方は人それぞれです。  上達を目指して筆をとる人もいれば、 心を整える時間として書に向き合う方もいるでしょう。 それぞれの思いがあってよいと思いますが、 展覧会への出品は、 自分の今を見つめ直すよい機会であります。 来年は是非、 より多くの方に積極的に出品していただければと願ってやみません 。 審査を通して感じたのは、 「一字一字の出来よりも、 全体の調和」 が大切だということです。 個々の文字がきれいでも、 全体の流れや構成に無理があると、 作品全体の印象が弱くなってしまいます。 逆に、 多少の揺らぎがあっても、 紙面全体のバランスが良く、 のびやかさを感じる作品は、 自然と目を引きます。 書は技術だけでなく、 呼吸と心の調和があってこそ生まれるものと...

11月号「所感」

 今月の所感のご紹介となります。  *2025年11月号 所感 ******************** 文字のおくりもの ~心を届ける 一文字の授業~ 今年もまた、 品川学園小学校の6年生を対象に 「文字のおくりもの」 の授業を開催します。 12月2日 (火) の午後1時半から3時半まで、 二コマの授業時間を使い、 家族や友達へ感謝や思いを込めて“たった一文字” を書き上げます。 一文字に託す想いは、 人それぞれ。 優しさや感謝、 励まし、 願い…。 その一筆一筆に、 心が宿ります。 当院では今回、 この授業を一緒に支えてくださる先生を約20名募集いたします。 ひとグループ4~5人の児童を受け持ち、 書の楽しさを伝えていただきます。 「教えることに興味がある」 「いずれ自分の教室を開きたい」 「子どもたちと書を通して触れ合いたい」 ――そんな思いをお持ちの方なら、 段級を問わずどなたでもご参加いただけます。 お申し込みは本部、 または日本書鏡院公式ホームページのお問い合わせフォームよりお 願いいたします。 この授業は、 毎年 「心に残る時間だった」 と大好評のイベントです。 子どもたちの真剣な眼差し、 そして完成したときの笑顔は、 教える側にとっても大きな喜びとなるはずです。 さらに、 冬休みを前にした 「書き初めのお手伝い」 も行います。 12月4日 (木)、 9日 (火)、 11日 (木) の放課後、 各日1時間半ほど、 品川学園の児童たちを対象に数名の先生を募集します。 「教えることの楽しさ」 を実感できる、 温かな時間になるでしょう。 ぜひ併せてご参加ください。 さて、 少し話題を変えて―― 先日、 嬉しいご縁をいただきました。 昨年 「KAO」 というタイトルの写真展で出逢った写真家・山岸伸氏。 その山岸氏の最新写真集 『馬力』 の題字を、 小生が揮毫させていただきました。 1頁に掲載しました。 撮影の舞台は、 北海道・帯広。 ばんえい競馬という、 世界でも唯一の競馬をご存じでしょうか。 通常の競馬が 「スピード」 を競うのに対し、 ばんえい競馬は 「力」 と 「忍耐」 を競います。 重さ1トンを超える鉄のソリを引きながら、 馬は坂のある全長200メートルのコースを一歩一歩進んでいきま す。 観客の声援に応えながら、 汗を散らし、 土を...

第66回 日本書鏡院展のご案内

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    第66回、日本書鏡院展を上野、東京都美術館で開催致し ます。 期間は、2025年10月24日(金)から、2025年 10月30日(木)まで、 入場は9:30〜17:00ま で(最終日は14:00まで)となっております。         児童、大人 の様々な作品をお楽しみ頂けます。 是非お越し下さい。

10月号「所感」

今月の所感のご紹介となります。  *2025年9月号 所感 ********************   無事に第52回御岳山講習会も、 晴天に恵まれ盛会のうちに終了した。  私は初級を担当させていただき、 24名の参加者の皆様と共に学ぶ機会をいただいた。 今年の最年少は高校3年生で、 普段はなかなか山の上で書道をする経験は少ないと思うが、 自然豊かな環境の中で有意義な時間を過ごしていただけたのではな いかと感じている。 若年層の参加者が増え活気も出てきたことがとても嬉しいことであ る。 一方で、 かつては山の上では必要とされなかったエアコンが、 昨年からは不可欠となってきており、 気候変動の影響を身近に感じる場面もあった。 御岳山は都心からもそう遠くなく、 標高約900メートル、 豊かな自然と落ち着いた空気に触れられる場所なので、 ぜひ多くの方に足を運んでいただきたい。 自然に囲まれた空間で筆を運ぶと、 日常の雑念から解き放たれる感覚がある。 講習会での学びはもちろん、 仲間と共に過ごした時間も大きな財産となる。 同じ志を持つ者が一堂に会し、 互いの姿勢や作品から刺激を受けることができたことは、 今後の会員皆様にとっても大きな励みになることだろう。 西は長崎県、 東は新潟県からの参加者もあり感謝の気持ちで一杯だ。 さらに今回は、 思いがけない出会いがあった。 夜、 各宿坊に顔を出した後、 日付が変わる頃に南山荘から御嶽山荘へと戻る途中、 「ガサガサ、 ブヒッ、 ブヒッ」 という音が街路灯のあかりひとつの中、 前方20メートル位先より、 鳴き声がした。 もしやと思い急いで引き返し、 宿坊の方に同行していただき、 懐中電灯で照らしていただきながら同じ道を通ったところ、 暗闇の中に光る二つの目が――。 そこには天然記念物のニホンカモシカの姿があった。 静かな森の中でふと現れた野生の力強さを感じさせると同時に、 自然の中で生きる生命の尊さを実感させてくれた。 熊やイノシシでなく安堵した。 都会では決して味わうことのできない、 貴重な体験であった。 御岳山講習会を通じて得られたものは、 単なる技術の習得にとどまらない。 こうした自然との触れ合いや、 日常とは異なる環境での研鑽が、 新たな発想や表現の広がりを生み出してくれるように思う。 今回の経験...

9月号「所感」

 今月の所感のご紹介となります。  *2025年9月号 所感 ********************  8月上旬は東京と大阪の濃密な数日を振り返って会員諸氏へご報告 をしたい。  今回株式会社アイディアヒューマンサポートサービスの浮世満理子 先生のご厚意で、 ウクライナ大統領夫人、 オレナ・ゼレンスカさんの来日に併せ、 書道の指導依頼という貴重な機会をいただいた。 浮世先生は、 昨年の秋の展覧会で、 ウクライナ避難民の方々への書道体験会を企画して下さった代表である。  限られた時間の中で、 ファーストレディは初めて持つ筆への戸惑いも感じさせずに、 一画ずつ筆を走らせた。 押さえるところ、 走らせることをその場でお伝えし、 丁寧に 「生」 を書き上げてくれた。 周りからあがる拍手の音が会場内に響き渡ったのが脳裏から離れな い。 そして、 その足で大阪へ。  翌日は大阪・関西万博のウクライナ・ナショナルデー (National Day of Ukraine) の式典と関連イベントがNDホール (レイガーデン) で開催された。 ウクライナ大統領夫人をはじめとする要賓の出席の下、 「ウクライナとともにある」 という強いメッセージが発信されたこの日の式典に招待を受け参加 させていただいた。 さらに東京に戻ってからは、 昨年のウクライナボランティアより、 インバウンド活動において最も尽力されている耕栄支部の小畠さん 、 緑邦支部の田中さんと共に、 東京でのシンポジウムとチャリティーショーに参加する事ができた 。  今回はまたウクライナの3名の方が 「書道を学びたい」 とこれから指導していくようだ。 一生に一度あるかないかの貴重な機会を下さった浮世先生には感謝 の気持ちで一杯である。 先月よりオリジナル商品としてご紹介している半紙の業者さんより 「良質な半紙」 は寝かせる (時間を置く) ことで、 書き味が良くなることがあるということを改めてお伝えしてほしい ということでお伝えしたい。 1. 半紙に含まれる 「水分」 や 「薬品」 が落ち着く 新しい半紙は製造時の加工や湿度の影響で、 墨のノリやにじみが安定しないことがあります。 時間を置くことで、 紙の繊維や成分が落ち着き、 墨を適度に吸い、 にじみやかすれがコントロールしやすくなります。 2. 熟...