12月号「所感」

 今月の所感のご紹介となります。 

*2025年12月号 所感 ********************

第66回日本書鏡院展も、 おかげさまで無事に7日間の会期を盛況裡に終えることができました。  
前半の三日間はあいにくの雨となりましたが、  後半は気持ちのよい晴天に恵まれ、  たくさんの方々に足を運んでいただきました。 天候にも一喜一憂しながらの七日間でしたが、 会場にはいつも温かな空気が流れ、 皆さんの作品が放つエネルギーに満たされていました。

搬入から始まり、 審査、 賞状書き、 目録づくり、 そして授賞式の準備まで、 今年は本当に慌ただしく、 それでいて充実した日々でした。 会の長として、 どの仕事も一つひとつ自分の目で確かめながら、 「今、 何が大切か」 を考え続けた期間となりました。

 全体の流れを理解して動くことで、 ようやく的確に指示を出せるようになったのではと。 経験を重ねることで見えてくることの多さを、 改めて痛感した約一カ月でした。
 まずは何より、 会場を盛り上げてくださった会員の皆さまに心から感謝の気持ちで一杯です。 作品づくりに向けた日々の努力はもちろんのこと、 準備や運営にご協力くださった皆さまのお力があってこその展覧会です。 年に一度の発表の場ですが、 その 「一度」 を支えるために、 たくさんの時間と心が注がれており、 誰か一人でも欠けては成り立たないのだということを、 改めて強く感じました。

書道を学ぶ目的や楽しみ方は人それぞれです。 
上達を目指して筆をとる人もいれば、 心を整える時間として書に向き合う方もいるでしょう。 それぞれの思いがあってよいと思いますが、 展覧会への出品は、 自分の今を見つめ直すよい機会であります。 来年は是非、 より多くの方に積極的に出品していただければと願ってやみません


審査を通して感じたのは、 「一字一字の出来よりも、 全体の調和」 が大切だということです。 個々の文字がきれいでも、 全体の流れや構成に無理があると、 作品全体の印象が弱くなってしまいます。 逆に、 多少の揺らぎがあっても、 紙面全体のバランスが良く、 のびやかさを感じる作品は、 自然と目を引きます。 書は技術だけでなく、 呼吸と心の調和があってこそ生まれるものと感じました。


 今年も多くの作品に触れることができ、 会員の皆さまの成長を間近で感じることができました。 展覧会は終わりましたが、 この経験が次への一歩につながることを願っております。 これからも書を通じて、 自分を磨き、 人とつながり、 日々の暮らしに潤いを与えていけたらと考えます。


 最後に、 会期中にご来場くださった皆さま、 そして陰で支えてくださったすべての方々に心よりお礼申し上げ
す。 会員諸氏のハツラツとした笑顔が、 何よりの励みとなりました。 これからも、 共に歩んでまいりましょう。


*(耕史記)****************************