1月号「所感」

新年のご挨拶と共に、会長の「書」への想いをご紹介いたします。


*2021年1月号 所感  ********************  

 新年あけましておめでとうございます。 
 昨年は新型コロナの影響でなかなか皆様とお会いすることができずとても寂しい一年でありました。 まだまだ安全対策の必要な日々が続きそうな毎日ですが、 一日も早い終息を祈っております。
くれぐれも皆様お身体に気を付けてお過ごし下さい。 
 
 今年迎えるコロナ禍での過ごし方を想像していただろうか。
お正月といえば家族・親族が一堂に会する家庭もあり、穏やかなお正月を過ごす方が大半であろう。小生も昨年までは、 元旦早朝に家族で実家に出向き、お雑煮を食べ、子供達も祖父母からお年玉をもらい、その後、奥多摩の御嶽神社へ向かい、 一年の幕開けである元旦に参拝することが慣例であった。
 しかし今年は忘年会・帰省・初詣など年末年始の恒例行事の行動選択にはいずれも新型コロナウイルスの感染症の影響が色濃いことを考えると、今年は過ごし方を、一八〇度変えざるを得ないのである。 
 そこで外出自粛により、自宅で過ごす機会が多くなる中、今一度我が日本書鏡院が昨年掲載したスローガンを思い出してほしい。 

 外出を心から楽しめない不安な日々が続く。
しかし皆様の多くは、 心身ともに穏やかな暮らしを送っていると思います。 
墨汁で済まさず、丁寧に墨を磨る。
時間を気にせずゆっくり書と向き合う。 
「三密」 とは無縁の一人だけの密な時間。 
もしも今、 少しでも不安を感じているなら、 どうか頭を抱えるその手で書いてほしい。 

 年始の過ごし方を是非 「書」 と共に迎えてみるのはいかがだろうか。 
「書」 を通じて、 
一、おうち時間を充実してみる。 
一、精神が研ぎ澄まされるので、 「書」 を通して自分を見つめなおしてみる。 
一、あえてインドア系の趣味である 『書』 に没頭し、 エンジョイしてみる。 
一、さらなるスキルアップを目指し、 自己研鑽に励んでみる。 
 生活の一部に 「書」 を取り入れることで、 余暇の時間がさらに充実し時間もあっという間に過ぎていくと考えるのである。 

 そしておうち時間があるからこそ是非この機会に、 ご自宅で一月二日に 「書き初め」 を行ってみるのもいいのではと考える。 書き初めは年の始めに一年の抱負や目標を書き、 そして十五日の小正月のどんど焼きで燃やす。 燃やす煙に乗って炎が高くあがると字が上達すると言われている。 日本は新年をとても重要視する伝統が受け継がれており、 この 「書き初め」 も現代でも大切な行事となっている。 抱負・目標を書くことで自分への決意・自己実現への道としてまたプラスへの前向きな一年を過ごすことができる。 
 
 「書」 はコロナ感染対策をしていればまったく影響のない習い事・お稽古である。 辞書を引き、 指先を使い、 様々な書体を学ぶことで頭を休めることなく、 生涯現役であり続けることができる大切な 「書」。 このコロナ禍であるからこそ、 「書」 の素晴らしさを一人でも多くの方に伝え話していくことが小生の使命だと考える。 
 今年も会員諸氏のたくさんのアイデアをお待ちしている。

*(耕史記)****************************

動画配信による会員支援については、1月についてはお休みとさせていただきます。
2月以降の配信については、決まり次第ご連絡致します。