12月号「所感」
今月の所感のご紹介となります。 *2023年12月号 所感 ******************** 創設90年目の節目となる本年、 第64回日本書鏡院展もほぼ快晴の中、 全日程を無事に終了した。 出品者の皆様・ならびに展覧会開催にあたり、 ご尽力いただきました、 諸先生方の皆様、 そして各支部長の皆様におきましては、今回初めて新たに出品票も新しくなり、 色々と不明な点があったかと思う中、 適宜ご協力をいただけましたことに感謝を申し上げたい。 また出品者様も作品作りにおいて、 この猛暑の中本当にお疲れさまでしたと、 感謝を申し上げたい。 前月の所感で一人一人にお話を伺いたいと記載していたせいか、 色々な諸先生方、 並びに支部長・会員の皆様と今現在行っていること、これからの要望などを多く伺うことが出来たのは、 小生にとって今後の大切な学びとなった。 色々とお話を聞いた中で、 「枠の中で決まりきった作品を出し続けることが果たしてそれでいいのか……」 ある出品者の方から貴重なお言葉を頂いた。 またある方からは、 「どうせ書道をやるならば、 『楽しく学び』 『上手く』 なりたい」 というお声もいただいた。 これは全員が思うことであろう。 そもそも芸術というのは、 「好き」 なのと 「完成度」 が違うものである。 ゼロからイチを作りだす作品作りはみな一緒だ。 確かに基礎的な筆法を学び、 習得しなければならない。 ただれんばかりの力強さ・感情をぶつけ、 大きな筆で創造しながら豊かな文字を作り上げて作品として仕上げていく。 そんな正解がない書道のなかで、 ゼロから生み出す表現のみで、 楽しさを披露することもありなのではないだろうか。 書を今に伝え、 継いでいくには、 最終的には来場者の皆様がそれぞれの作品に感動して頂くことだと考えている。 支えてくれる人を大事に、いただいたご意見を決して無駄にしないようにしたい。 改正点においては、 必ず常任理事会・理事会などにも提案していくように努めて参りたい。 この会期中に5歳の女の子が、 鑑査員である松原溪真氏の篆書の作品を前に、 一文字・一文字を目で見て感じたまま全身で表現している場面に遭遇した。 「この文字はね。 こんな感じ!」 「こっちの文字はこうかな?」 「あっ。 この