11月号「所感」
今月の所感のご紹介となります。 *2022年11月号 所感 ******************** 昔から日本中にある町の書道教室の本来の姿が、 今の若者にも響いているという朝日新聞の記事が掲載されていた。 未来のある子供達は私達大人の中にいることを忘れてはならない。 コロナ禍になってから、 今の日本社会は昔のような、 おおらかさがなく、 人に対しての思いやり、 優しさもない。 厳しい世の中に変わってきてはいないだろうか。 さらには人と人とのつながりが希薄になり、 オンラインで幾度となく繋がっていても孤独や憂鬱感は払拭出来ない。 これは若い人も同じ状況ではないか。 社会不安のある中で自分のことで精一杯の部分があり、 心に余裕、 ゆとりがないとまわりに気を回すことなど出来ない。 誠に鬱屈した時代になっているのではないかと残念に思う。 時間は感情をいれずに 過ぎ去っていく。 私達は時に寄り添い、 勇気を讃え、 何よりも元気を与える存在にならなければならないと考える。 「好き」 という思いが書道でなくたっていい。 先生だったり、 一緒に通う友達だったり、 墨の香りだったり、 そこに行くだけで居心地が良いと感じる場所に、 そばで共感してくれる人がいれば夢がどんどん膨らんでいくのではないかと考える。 「人と人の絆」 人は一人では生きてはいけない。 小生はこの言葉をとおして、 一人でも多くの方の助けになれるようがんばらなくてはと思う。 そして今の時代に何より大事なのはお互いが気を遣う心の余裕と空気感が必要であると考える。 このほど昭和33年に発売した五体いろは帖を再版したものが出来上がってきた。 コロナ禍になる前より再販を企画していたが、 今のタイミングになってしまった。 初学者には基本を勉強するのに最適な教材であり、 熟練の方々にも線の奥行きを勉強するのに最適な教材ではないかと考える。 新しく入会した生徒さんに いきなり競書への誘導が難しい方には、 小生もいろは歌からの導入で基礎の点画を勉強していただいている。 書を稽古するにあたり傍らに置いていただきたい必携の本である。 是非ともお買い求めをいただきたい。 *(耕史記)****************************