11月号「所感」
今月は展覧会の児童作品についての会長の想いをご紹介いたします。 *2020年11月号 所感 ******************** このほど第61回日本書鏡院展の児童生徒の部の一次審査を終えた。 コロナ禍の中、昨年対比80%の出品をいただいた。 この状況下での、支部長のたゆまない厚いご指導に感謝を申し上げる次第である。 また一年に一回の展覧会を目標に日頃のお稽古の集大成と捉え、 精力的に頑張ってくれた 学生の皆に敬意を表したいと思う。 現在、 児童生徒部の作品は幼稚園、小学生は半切二分の一、中学生は半切又は半切二分の一、 高校生は半切の大きさと決められている。 課題も自由であり指導者が決める場合と、 生徒の書きたい課題を尊重して取り組む場合とある。 小生はなるべく、 後者の生徒を尊重して書かせることが多いが今回の審査を外側から拝見していても課題のバラエティーさを感じつつ、 時代に即した課題をセレクトされているものもあり頼もしさを感じた。 小中学生には堂々と元気に書かせるように指導している。 作品が飾られる場所を想定した上で作品づくりをすることが不可欠であろう。 学生を指導される先生方へは、 正しい字を指導していただきたいと思っている。 当たり前のことだが、毎月の競書を拝見していて、 指導者の思い込みで生徒が間違って書いているという字を垣間見ることがある。 口という字の縦線が出る場所などがその典型であろう。 一次審査では、書き下ろしの状態で支部ごとに審査をする。 支部ごとで審査をすることで、指導者の思いがダイレクトに学生に伝わっていることが顕著である。 支部ごとのカラーがあり、 使用しているであろう筆の大きさもまちまちである。 是非とも、今回の展覧会に飾られた作品を見つめ、線が細いと感じた支部は筆の大きさを変えるなどして、次回に繋げていただきたいと願っている。 また、補筆、二度書きも散見されたが、出来が良くても減点の為、呉々も控えていただくようお願いする次第である。 学生の展覧会を併設出来ることは喜びであり、将来を担う宝と常に思っている。 我が教室に通って来ている学生達はやる気満々である。 字を書くことの楽しみ、喜びが備わっている。 小生の学生時代と比較対照に出来ないほど着実に育ってきている。